平成18年度から始まり、今年で6回目となった吹奏楽部恒例の定期演奏会が、6月5日(日)、勝山文化センターポンテホールで開催されました。

 13時の開場時間には、多くのお客様が受付に並ばれて、ホールが開くのを今か今かと待っていてくださいました。部員の保護者は言うに及ばず、親戚、友人知人、近隣の中高校生、勝高OB・OG、先生方、一般のお客様など約350名の皆様が来場して下さいました。
  部員の家族はもちろん、親戚、友人・知人、近隣の中高生、勝高吹奏楽部のOB・OG、先生方、一般のお客様など、昨年を大きく上回る約430名の来場をいただきました。

 今年の4月に入学したばかりの19名の新入部員にとっては、初の大舞台。そして3年生にとっては最後の舞台となるこの演奏会に、部員たちはそれぞれの思いを胸に舞台に立ちました。
 演奏会は大きく3部構成となっており、吹奏楽オリジナル曲を中心とした第1部、様々なアンサンブルを演奏する第2部、そして劇、歌、ダンスなど演出満載のポップスを中心とした第3部と、あらゆる世代の方に幅広い音楽を楽しんでいただけるような2時間半のプログラムとなっていました。

 第1部はオープニングにふさわしい、華やかで軽快なマーチ「憧れの街」でスタートしました。2曲目は小説「アインザッツ」のテーマとして作曲、出版された「Vinculum ウィンクルム〜絆」、3曲目は昨年度の岡山県吹奏楽コンクール小編成の部で見事金賞を受賞した「RIKUDIM〜4つのイスラエルの踊り〜」を2,3年生のみで演奏しました。夏のコンクール以来、この曲を楽しみにしてくださったお客様もいらっしゃり、気迫溢れる演奏が多くの方の印象に残ったようです。


 休憩をはさんで第2部はアンサンブルをお送りしました。トップバッターはクラリネット、ホルン、バリトンサックスで構成する木管5重奏による「古典的な舞曲」、続いて2本のユーフォニアム、2本のチューバで構成するバリ・チューバ4重奏による「メリー・ウィドウ・セレクション」。この2団体は今年1月に行われたアンサンブルコンテストに出場した際の演奏曲を再演しました。
 コンテストとはまた違った緊張感の中、それぞれに演奏を楽しみました。また、フルート2,3年生によるフルート三重奏は昨年に引き続き、大好きなディズニーを演奏しました。今年は「ディズニー・プリンセス・メドレー」、“晴れ時々天然”のフルートパートらしく、のびのびと演奏しました。
 最後はクラリネットパート全員による9重奏。誰もがピアノで弾いたことのある「猫踏んじゃった」とクラリネットポルカを合体させた「ポルカで猫踏んじゃった」、東日本大震災を受けて選曲した「上を向いて歩こう」の2曲を演奏しました。吹奏楽部の中で最も人数の多いパートですが、普段の練習を通して培ったまとまりのある演奏で、お客様の心を引き付けていました。楽器紹介もあり、吹奏楽だけでは味わえない、それぞれの楽器の音色を味わっていただくことができたかと思います。
 最後のステージ、第3部は生徒が趣向を凝らした演出満載のステージです。今年は『新訳 オペラ座の怪人』の寸劇で幕が明けました。2年生8人による楽しい劇に、会場は笑い声に包まれ、特にピアノカバーをまとったファントムは中学生にも大うけでした。寸劇から続けて演奏された「オペラ座の怪人メドレー」はソロもたくさんあり、劇的な展開に華やかなミュージカルのシーンがよみがえるようでした。今年から顧問になられた金田先生、奥埜先生の演奏も見事でした。
 続いては、毎年恒例の「青春プレイバック」。今年は1982年、松田聖子の「赤いスイートピー」に始まり、1990年、ドリームズ・カム・トゥルーの「未来予想図U」、2005年、平井堅の「POP STAR」、2010年、嵐の「MONSTER」と、80年代から昨年までの4曲を振り返りました。「赤いスイートピー」の堂々とした歌、「POP STAR」での3年生全員によるポップな踊りに会場中が盛り上がりました。色とりどりのサングラスとアフロヘアーがよく似合っていました。
 さらに次の曲は大人気アニメ「ONE PIECE」の初代テーマソング「ウィーアー!」。海賊に扮した金田先生のナレーションに始まり、ベルパフォーマンスにトロンボーン、アルトサックスのソロも見事でした。

 第3部では毎年全員による歌も披露しています。今年は3月11日に起きた東日本大震災を受けて、被災地の復興を願う歌を届けたいと、阪神大震災をきっかけに作曲された「しあわせ運べるように」を演奏しました。「地震にも負けない強い絆をもって 亡くなった方々のぶんも 毎日を大切に生きていこう」「響きわたれ僕たちの歌 生まれ変わる日本のまちに 届けたいわたしたちの歌 しあわせ運べるように」ホールの隅々に響く声、歌に込められたメッセージに涙するお客様もいらっしゃいました。
 最後の曲は多くのバンドで演奏される「オーメンズ・オブ・ラブ」。演奏会の最後を飾るにふさわしい、華やかでスピード感溢れる楽曲に、部員たちはそれぞれの思いを込めて演奏しました。

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 拍手が鳴り止まぬうちに、今や勝高吹奏の定番曲となったアンコール「勝手にシンドバッド」をお送りしました。高校生活最後の舞台を終えた3年生、初めての大舞台を乗り切った1年生、部の中心となって多くの苦難を乗り越えながら、大きなプレッシャーの中で準備を進めてきた2年生。それぞれの思いが演奏後のすがすがしい笑顔となり、また涙となって部員たちの心にも大きく刻み込まれました。この演奏会を皮切りに、今年度もコンクールなど多くの舞台が用意されています。この演奏会での経験を糧に、部員一同努力して参りたいと思います。

 また、今回の定期演奏会を開催するにあたり、地元真庭市の多くの企業、事業所から応援をいただきました。また、当日の運営には吹奏楽部の卒業生の協力がありました。昨年度は国民文化祭の開会式や、勝山地区親子クラブの演奏会、地元真庭市の中学校との合同演奏会など、多くの演奏機会をいただき、地域の方々の支え、応援をいただきながら活動させていただいていることを部員一同、実感することの多い年でした。多くの方々に支えられて演奏できることに感謝するとともに、地域に貢献できる活動、卒業生の名に恥じない活躍をしていきたいと思います。この場をお借りして改めて御礼申し上げます。

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