S先生に聞いてみよう!〜体幹よりも下半身!編〜
運動や栄養に関する素朴な疑問について、勝高の筋肉担当S先生に答えていただくコーナーです!
早速いってみましょう!
ーS先生、体幹を鍛えるトレーニングを教えて下さい!
S先生「ダメです」
ー…?なぜですか?
「勝高生にもよく体幹トレーニングについて聞かれます。体幹とは「首から上と手足を除いた全部分」を指す言葉ですが、勝高生にとってはもっぱら腹筋のことのようです。体幹の重要性は否定しませんが、体幹さえ鍛えれば競技力が上がるなどというように体幹の力のみを神聖視するような姿勢は評価できません。プランク等も良いトレーニングですが、それ以上にスクワット等の下半身のトレーニングを行ってほしいものです。スクワット、やってますか?」

(体幹≠お腹周り)
ー体幹を鍛えれば身体の安定性が上がると聞きました。
「確かにそうです。体幹は家で例えれば大黒柱ですから、きちんと鍛えるべきです。しかし、下半身は家の基礎です。いくら大黒柱が立派でも、基礎がガッチリしていなければまっすぐ立つことすらできません。
そもそも、体幹として鍛えられる部位には「ローカルスタビライザー・グローバルスタビライザー・グローバルムーバー」という3種類の筋肉が存在しますが、そのうちのどれをターゲットとしていきたいのですか?そして、それはなぜですか?ここが曖昧なまま行う体幹トレーニングははっきり言って時間の無駄です」
ースポーツの技術力向上には下半身が大切だ、と?
「おおよそすべてのスポーツは下半身で力を生み出します。下半身の力が体幹を通して腕などの上半身に伝わっていくのです。体幹の力が下半身よりも優先されるのは脚が地面につかない状態で動作するスポーツにおいてです(例:水泳)。80mの遠投ができる人でも、椅子に身体を固定して下半身を全く使えなくすると、距離は半分にも満たなくなるそうです。下半身の重要性がうかがえますね」
ーS先生オススメの下半身トレーニングは何ですか?
「何といってもスクワットです。スクワットはking of trainingと呼ばれていて、怪我など特別な理由がないのにスクワットをやらないなんていう選択肢はナシですね」
ースクワットってキツくないですか?
「キツいです。歴戦の猛者的なボディビルダーでもスクワットをする日は前日から憂鬱だという人もいます。スクワットをすると息が上がって汗も出てきます。それは太腿や臀部など身体の中でも大きな筋肉を総動員しているからです。人間の筋肉の約6〜7割は下半身にあると言われています。ここを鍛えるのはツラいですが、やらないという選択肢はナシなのです」
ーS先生はスクワットが好きですか?
「ずっと嫌いでした。やりたくありませんでした。でも、必要なことだと自分に言い聞かせてやり込んでいくうちに段々とわかってきて、今では一番好きな筋トレの一つですよ。何か一つしか筋トレをしてはいけないと言われたら、迷わずスクワットを選ぶでしょう。重い物を担いで、しゃがんで立つというシンプルな動作ですが、一番「生きてる!」と感じます」
ー重い物、ですか?
「私は弱いので120kg前後のバーベルしか担ぎませんが、津山でも200kg近いバーベルを担いでスクワットしている人はいます。ウェイトリフティングの世界では160kgまでは高校生レベルです。そのくらいの重さを担いでいれば姿勢維持のために自然と腹筋が割れます。あ、皆さんは自重で十分ですよ」
「筋トレは正しく安全に!」がモットーのS先生らしいお話でした。次回もお楽しみに!