S先生に聞いてみよう!〜筋トレすると背が伸びなくなる?編〜
運動や栄養に関する素朴な疑問について、勝高の筋肉担当S先生に答えていただくコーナーです!
今回は「筋トレをすると背が伸びなくなるのか」についてです。
成長期の中高生には気になる話題ですね!早速どうぞ!
ーS先生、「筋トレをすると背が伸びなくなる」と聞くのですが、本当ですか?
S先生「もう令和ですよ?そんな古い都市伝説は忘れてください。
筋トレが身長の伸びに悪影響を与えるという科学的根拠はありません。
おそらく体操選手やボディビルダーに低身長の人が多いということから生まれた誤解でしょう」
ーどういうことですか?
「体操選手は競技で身体を回転させます。このとき低身長で手足が短い人の方が、身体がコンパクトにまとまるので有利になります。その結果、低身長の人の方が競技成績が良くなり、ニュースでも見かける機会が多くなります。すると、体操選手=背が低いというイメージが完成します。
ボディビルダーも、トップ選手には身長160cm台の人が多くいます。これは、低身長であれば手足の骨が短いので、同じ筋肉量であっても太く見えるからです。骨が長ければ、そこに付着する筋肉も引き伸ばされて、細く見えるわけです。体操と同じく、低身長の方が有利な競技だと言えます。
これらの選手は見た目がムキムキなので、筋肉をつけたら身長が伸びないという誤ったイメージに繋がったのだと考えられます。もちろん、高身長でもそれらの競技で活躍している選手はいますので、その人たちの努力は並大抵のものではないとリスペクトすべきですが。」

ーでは、成長期に筋トレをしても悪影響はないと?
「現時点ではそう言えます。むしろ、筋トレは成長ホルモンの分泌を促しますので、身体の発育にはむしろプラスであるとさえ言えるでしょう。
ただし、あくまで適切なフォームで適度な負荷をかけて行うことが前提です。
成長期の骨が成人よりも繊細であるということは事実なので、間違ったフォームや過剰な負荷での筋トレは怪我の原因になります。自己流で重たいものを振り回すのではなく、きちんと知識のある指導者のもとで行いましょう。
もちろん勝山高校に来ていただければ、私が指導しますよ!」
ーやはり中高生もどんどん筋トレをすべきですね!
「ひとつ付け加えるとすれば、コスパの問題があります。成長期のみなさんには、まだ大人ほどの筋肉は付かないかもしれません。それは、摂取したエネルギーが脳や内臓などの発達に優先的に使われ、筋肉をモリモリつけるほどの余力がないことが多いからです。
言い換えれば、筋トレをやりこんでもゴリゴリのマッチョになることは考えにくいので、安心材料にもなるかもしれませんが。
一方で、神経系は非常によく発達します。身体の動かし方はグングン上達するので、ぜひ色んな運動をして、上手く身体を使えるようになってほしいと思います。よって、筋トレはあくまで競技が上手くなるための手段として捉えるのがコスパの高い考え方ではないかと思います」
筋トレは身長に悪影響を与えない、むしろプラスである…ぜひこれからの常識になってほしいものですね!
次回もお楽しみに!